ぱーこシティ(令和版)

18年続いて来たぱーこシティは、ついに元の場所に還ることをやめました。

ゆりかもめ

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今日の一句  校章を誇りに思ふやゆりかもめ 浮浪雀

 土曜日のルーティンはbeの人生相談なんだが、今日のネタを印刷していて、見られなかった。朝のニュースで覚えていることも特にない。DVDの注文が延期になったことも今朝のことだった。

 立川から歩いていく。20分ほどだったが、最後でgoogle map と現地の様子を照合していて迷う。90度方向を間違えそうだった。新しい学校なので校舎内が綺麗。職員室のある管理棟と離れた教室棟の構造。職員室は2階。その入ったところに作業室の様な部屋があり、試験問題を入れるロッカーが置いてあったりする。大きな木の机には図書館所有のシールが張ってあった。これは以前の北多摩高校のものか?

 管理棟と教室棟を結ぶ廊下に進路関係の掲示があるが、参考書の説明で8期生の紹介で東京出版の問題集が掲示されている。この本はレベルが高いので青チャートなどで基礎力をつけた後やるといいです。自分も全部はわかりませんでした、などとあって実名の記載がある。もちろん進学先は東大である。Z会の参考者の紹介もあり、なるほどね、と思ったりする。

 私の担当は中2でしばらくその部屋で待っていると、2時間めが終わった先生方(4名)が帰ってきて、そのうち2名が退出して後から加わった私とぎりぎりに到着したY氏が入れ替わった。ネタはメールを読んで私が直前に準備したものと違っていた。しかもそのネタは私にとって初めてのネタだった。どう展開していいかわからない。

 一口に先生というが、教員は相手によって業務内容がまったく違う。生活指導分野はもちろんであるが授業においてその違いは著しい。クラスの定員は40人で、男子18名女子22名が在籍している。2名休みがいた。生徒たちは皆自由に私語を交わしていたが、私が声を発するとすぐに集中して静かになった。初めての現場で、以前は自己紹介をしていたが、最近では相手は自分に関心がないということを基本にしている。今日の授業は何をするか、それが自分にとってどういうものか、それが当面の生徒の関心事項である。担任の先生は教室廊下側の最後尾の椅子に座って自分のことをしている。初めのあいさつでは、担任が教壇にたっただけで係の生徒が小さな声で起立、礼を発声しそのまま静かに座った。私は同じ中2の公立中学で毎週授業をしているが、そこではこのあと大きな声で「よろしくおねがいします」という様に生徒は指導されている。私はこの大声が少し恥ずかしい。

 2コマもらっているが、10分休みの後チャイムがなって私が教卓に立つと係の生徒がそのまま、起立と小さく発声し、みな礼をした。私はいつものくせで「よろしくお願いします」というとただちにそれに合わせて自然な発声でほとんどの生徒が「よろしくおねがいします」と復唱した。この適応力はなんだ。私の行っている中学と違うのは、ざわざわ私語を言っている自由な集団から課題に向かう時の集中した集団に切り替わる時の自然さである。誰も号令をかけなくてもその時の状況にすぐに対応する集団の質だ。

 私が初めてやることになった新ネタは、漢字の田の字に対角線を2つ加えた図形を板書して示し、そこに含まれている漢字を見つけなさい、というものである。先入観にしばられることなく、自由な発想がどれだけできるか、という導入の課題である。それでその反応で集団の質を見て、その後の課題の進めかたを考える。他の講師がこのネタをどうやっているか知らない。この後に指定されたネタは二人一組にして、カードを使いながらコミニュケーションを試みる、という課題である。40人だからネタのカードは20枚以上必要だ。私が持ってきたのは15枚しかない。これをどう凌いでいくのか。

 しかも2コマ目の課題はグループで行う課題。教卓の上に置かれた名表を見ると、6班にわかれた座席表がある。これをつかうか、と思って、その座席表通りに机を動かして6つのグループに集団を分けて、二人一組の時に使う白紙を皆に配る。担任の先生が気を効かして用紙をたくさん持ってきてくれた。それから黒板に例の図形を大きく書いて、書きながらこれをグループ間の達成度を競う課題に使おう、という考えが浮かぶ。この図形に含まれている漢字をたくさん探して紙に書きなさい、というとほとんどの生徒が何を言われたかわからない。黒板に、一、二、と例示するとあ、と小さく反応があって何をするかわかったようだ。すぐに教えあって白紙に思いつくものを書き出している。これはいける、と思ったがこの後どう展開するかわからない。教員業務の期間巡視をいうのをやりながらグループでできた数を報告してもらう、という手がある、と思いつく。

 結局10分程度のこのネタをその場の思いつきで次々展開して、45分丸々使って大変盛り上がった。探した漢字はクラス全体で60以上に及ぶ。休み時間の後の次のネタは後半、情報のやり取りで複雑な作業がある。持ってきたipadに他の学校で使った例があるのでそれを使えるか、と思ってその場で短距離の投影装置のスイッチを入れて準備した。ところがワークシートにある記述と白板に移したスライドと、作業の目的を指示しただけで、所定の作業にすぐにはいっていった。それまでの経過を見ていると、そうなるだろうな、と思っていたが舌を巻くスムーズさである。大人のグループでも初めてだとこの作業のとっかかりに手間取ることがある課題である。

 何の困難もなく課題を遂行できて、まったく楽勝だった。もっとも出たとこ勝負でいくつか改善点はある。板書の提示の仕方や付け加えるエピソードなど後から思いついたものもある。その時に思いついて結局つかわなかったものもある。少し欲張ってこう少し難しい課題をあたえて、この集団が反応するかみてみたい、という教員の欲もある。

 帰りは雨が降り出して、次の業務があるK氏を除く3人でタクシーで駅まで行った。確認作業でダイヤが乱れてホーム上は大混乱。遅れてきた電車にとても乗れないので、駅そばでラーメン、いなりずし2個をかっこむとやっと満員の電車に乗れた。

 2時半ころ帰宅。まとめをしないといけないんだが、ストーブリーグの続きを4時間ほどぶっ続きで見てしまった。メシ・ブラタモリを見て轟沈。12時前に起きる。