ぱーこシティ(令和版)

18年続いて来たぱーこシティは、ついに元の場所に還ることをやめました。

桔梗

地上げ完了

今日の一句  現世に抜け忍桔梗今日も咲く  浮浪雀

 今日の三択。江戸時代の末期、お化け屋敷を初めて作った江戸の人の職業は? 医者・浮世絵師・ぼけ 金のある好事家というと・・・

 K氏より電話、NPO関連の作業。HPの更新だがソフトがword pressの簡易版みたいなものでどうしたらいいかわからない。試行錯誤で画面を作っては壊しながら、なんとかと頼まれたものができた。これで午前中が潰れる。

 午後は猛暑の外を涼しい室内から眺めながら至福のだら寝。まだ暑さ猛々しい中を下高井戸まで行く。毎年更新しているシネマクラブのただ券が今年も2枚余っている。使える期限は7月中。つまり昨年から1年経っているのにこの有様。映画を見る余裕が時間的にも精神的にも持てなかったという事だ。それで時間がある時がこの猛暑の時になった。

 折りたたみの日傘の持ち手がもう熱い。バス停で10分待って千歳烏山行きに乗る。ここから各駅停車で下高井戸、乗り換えは一回で近いはずだが、京王線の各駅停車はいちいち準急だの快速だの特急だのに抜かれて時間がかかる。結局1時間ほどかかった。

 以下ネタバレ。

 映画はカンヌで監督賞をとった作品というので少し期待していた。刑事もの、フィルム・ノアールを意識しているんだが、画面が暗い。なんとなくイタリア映画ののりかなと思ってみるが、最後の主題歌が銀恋みたいなデュットソングでど演歌。2人の刑事が射撃のマトを外しているのをガラス越しに撮っているシーンから始まる。バディものかなと思うがそうでもない。画面と編集はこりに凝っている。それがいちいち外している。謙虚に言えば私にはどこがいいのだかわからない。

 話は夫が死ぬ中国女が被疑者でそれを調べる刑事がこの女を好きになる。もっともかっこいい映画だから好きになる、とか下世話な話はしない。なんとなく目を合わせて思わせぶり。初めの夫はなんだか高いだけの岩場の上から落ちて死ぬ。自殺ということになるが、この女が殺したらしい。ロープを使わなくては登れない油岩と称されるこの岩山にわざわざ登る理由がわからない。中国女は韓国語がうまく話せない、という設定で時々モバイルフォンに中国語を吹き込んで翻訳させている。ともかく登場人物の動機がわからない。水星の魔女を見ている感じだ。

 決定的な証拠をこの刑事は女のために、それは捨てておけ、とかかっこいいこと言って、話は13カ月後に飛ぶ。これは韓流のお得意技でドラマでよく見た。エピローグかと思ったら同じ事件がもう一件。やはり夫が邸宅のプールで死ぬ(死んだのか?ころされた夫の目が開くシーンがある。これは女の心象風景か)。他殺なのだが犯人がわからない。またこの女か。担当刑事が前と同じ主人公。あっ、これはブレードランナーと同じだ。犯人を追う刑事と容疑者ができちゃう、という話か。刑事のくせに現場の血の匂いがきらい。その刑事を気遣って女はプールの血を洗ったりしている。

 最後に女は海岸の砂浜に穴を掘って自分が中に入りそこへ満ち潮がやってきて水没してしまう。それを狂ったように叫んで探す刑事。そのあとど演歌のエンディングだよ。霧の中、とか言って。この死に方もよくわからない。それじゃすぐ浮かんでしまうんじゃないか。かっこよく見せるシーンの作為がいちいち不自然で登場人物の心情がまるでわからない。女は美人だけど魅力的なのか?

 投稿サイトに書いてやろうと思ったが、この作品がまだ上がっていない。韓流はテレビドラマが面白くって、映画はカッコつけてるだけで私にはつまらない、という印象。なんだ私がアートをわからない庶民だというだけじゃないか。残念の★2つ。めずらしいね私の評価が★2つなんて。

 帰りは6時をすぎているので、暑くても夏の夕方の風が吹いていてなんとか凌げる。あるいて明大前まで行く。線路脇の家が全て地上げされてなくなっていた。この道は私にとってはいろいろあった懐かしい道なんだが、もうなくなっているのだ。東京に住んでいるとこういうことばかりで頭の中にしか自分の感情の根拠がないので、映画を見るより儚い感じだ。

 帰りは一駅歩いて、行きと同じくらいの時間だった。手作り寿司を食べて轟沈。12時頃起きる。