ぱーこシティ(令和版)

18年続いて来たぱーこシティは、ついに元の場所に還ることをやめました。

脚気(夏の季語)

帰ってきた

今日の一句  し膝蓋腱反射のような脚気と**  浮浪雀

 今日は朝が早いので、ルーティンTVはなし。雨の中いつも通り職場に着くと、部屋が閉まっていた。同室の専任の先生が発熱でお休み。私は3級教員なので、部屋の鍵を使うアクセスカードが所有できない。なので、他の準備室に行って2級市民の先生にたのんで開けてもらった。21世紀TOKIOはこんな近未来。

 実験3コマ。消化課題が少し多くて時間内に終わらない。それでも1個コマ目の様子で指示訂正。3コマ目にはほぼ時間通り終わる。実験の時はいろいろどうして良いかわからない事態が生じて、聞きにくる。その時短い会話をするが、その時の反応がなかなか面白い。この子たち、というか、こいつら、というか。それぞれの人格に触った感じ。ちょっと言葉にできない。別天地の賢くすばしっこい小動物に触れた感じか。

 このAという試験管は泡だらけで使えないんですが、その上にさらに入れるんですか?女子Xが聞きにくる。実験プリントにはそう書いてあるが、それは事情が変わったので、2級市民の先生がさきほど説明を加えた通り、AをHに読み替えて、新しい試験管で行う、という記載に変わった。それを聞き逃したらしい。「それはさっき伝えた通りで、Hに読み替えて新しく」とここまで説明すると、聞きにきた女子の中で様々な反応が起きている。

 あっ、聞き逃した(自分の落ち度)だけどこのプリントの記載は違っている(先生の落ち度)なんだ、変えてやればいいだけじゃん(疑問の答えは出た。もうこの場にいる必要ない)。ここでその女子はすぐに去ろうとしたが、私の答えが途中なので、(これは最後まで聞かないと先生の立場がなくなる。だから我慢してきかないと。だけどその原因はプリントのミスじゃん。)なんだかそんな一連のごちゃごちゃが彼女の中で起きているらしい。私は「Hに読み替えて新しく」といったところで相手がすでに質問の答えを得たのを感じて、「あプリントミスだった、ごめん」というと彼女は持っていた不満をささっとひっこめて、ありがとうございました。とそつなく挨拶の言葉を残して自分の席に戻って行った。それがマスクをしている顔のよく動く瞳の表情だけで読み取れた。なかなか聡明じゃん。いい大学卒業してどこかの職場でもこの調子でささっとそつなく業務をこなしそうである。

  というようなことがあれこれ起きるのが実験の授業。これまた異世界の醍醐味である。私にチートな能力は全然つかないけど。2名の女子が実験に参加しないでおしゃべりばかりしている。2級市民の先生から報告がある。それは気が付かなかった。どう指導しますか。私は3級教員だが、2級市民の先生には、生徒の指導権限はない。それはこの実験の直接の担当者が私だからで、3級教員といえども私の意向は無視できない。

 私の慣れていた現実世界では、実験に参加していないといえば、ノートも教科書も持ってこないで、他の生徒の邪魔になるような大声で話しまくっているのが、実験に参加していない生徒である。これを放置しておくと何か事故が起きる可能性がある。なので無視できない。しかし該当二生徒の方を見てもそれはそれはまったくわからない。それは該当二人の話し方が実験の内容を話しているのか、たんなる私語なのか判断できない程度に、その場に馴染んでいるからである。もう少し言えば他の生徒の実験の邪魔をしていない。私は該当生徒の実験机にそれとなく散歩の途中でそばにきました感をただよわせて(自分ではそのつもりで)様子を見にいった。実験をしているのは男子二人で、どうやら女子二人は実験とは別件を話しているらしい。そばによるとわかる程度には二人は気を抜いている。この場合、私は取り合えず経過観察、という方針となる。名簿のリストがある教務手帳に二人の番号をチェックして、今後しばらく様子を見ることになる。

 てなことも起こるので、実験は全体に指示することは初めだけで、あとは生徒たちに任せて質問疑問に答えればいい。普段の授業より大層楽である。それでも3時間つづけて立って歩いているのは肉体的につかれるのは確かである。

 今日はその後、近所の研修会の講師でこれはいいたい放題の気楽なもんだったが、やはり3時間立ちすくめなので、帰りの電車では立ったまま眠りそうだった。なので、快速は避けて各駅の終点が下車駅の各駅停車の電車で帰ってきた。

 メシ轟沈で11時前に起きた。