ぱーこシティ(令和版)

18年続いて来たぱーこシティは、ついに元の場所に還ることをやめました。

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今日の一句 冬らしき人も見えない転生後 浮浪雀

 今日の三択。チューリップの球根を植える時期はいつか?

6、7月。3、4月。11、12月。もちろん冬の寒気が必要。これはお天気検定。エンタメ検定は、思い出せない。当たったことだけは覚えている。サイトで確認。野球・サッカー・絵画。たしかにそれだったことはわかる。

 ところで今日は健康診断、なので朝食はなし。バッグの中を見るとペンケースがない。教科書・ノート・筆記用具の3点セットもない。机周りを見たが、ない。学校に忘れたのか?確かに昨日は図書館から本を3冊借りたので、バッグに入れるときに無理に詰めこんだ記憶がある。そのとき3点セットをどうしたか。その記憶がない。だから3点セットは忽然と消えた印象になる。今日は有給休暇をとっているので学校に顔を出すと何しにきた、と思われる。忘れ物がはっきりしないので確認にきました、と間抜けなことを言わなければならない。

 これはなくても他の業務には影響しない。月曜日の仕事に使う出勤印がペンケースに入っている。しかしこれは別のものでも構わないはずだ。ボールペンは予備がある。だから取りに行かなくても大丈夫だ。しかし水曜日のネタを作るのに教科書とノートがないと困る。しばらく逡巡していたが、やはり取りにいくことに決めた。

 まず、看護師さんがかんじがいい人ばかり、と妻が言うクリニックへ行く。歩いて10分もかからない。健康診断は40分で終わった。待機ー採尿ー待機ーレントゲンー待機ー体重・採血・腹囲・心電図ー待機ー血圧・問診・触診で終了。都合40分なのでまあこんなもんだろう。

 それからバスに乗って、いつも通り出勤。机の上はきれいに片付いていた。記憶を探っていったとき、机の上に置いたままのイメージがあった。だがそれはニセの記憶だった。引き出しを開ける。袖机の上から2番目の引き出しに無造作に3点セットはあった。途端に図書館の本をバッグに入れたときに入らないので一旦3点セットを抜き出しこの引き出しに投げ入れたことを鮮明に思い出した。品物がなくなったのではない。記憶が抜けたのだ。

 そのときはバッグの中の場所を確保するために3点セットを取り出したので、この後戻そうと薄く思っていた。しかしそのまま引き出しを閉じ、バッグを閉じ背中に担いで職員室を出たのだ。3点セットを引き出しに無造作に入れたところが記憶から飛んだ。気がついたのが翌朝になる。このメカニズムは大変面白かった。認知症の初期はまだらぼけという症状があると言う。はっきりしている時となんだか変な時とそれがまだらになって現れるのだ。まだらは空間に対する用語であるが、それを時間に適用している。つまり時間をおぼろげながらある広がりと捉えて、はっきりしている時とおぼろな時が「まだら」なのだ。この捉え方自体が存在のおぼつかない認知症の特徴をよく捉えていると思う。私は誰?ここはどこ?だが妻の姉から繰り返しかかってくる電話に妻が出ると「あんた誰」と言う。私は誰、とはいわない。あんた誰?というのが自分が不確かな証拠なのだ。

 そんなことを思い出しながら、しかしどうなったか不明だったことがはっきりしたので一つ懸念事項が片付いた。春から行かなくては、と思っていた健康診断も片付いたので、もやもやひきずっていた気掛かりが2つも決着して、この空のように気分がいい。こんなことは久しぶりだ。

 いったん帰宅して着替えて、またバスに乗る。約束の時間に少し遅れそうだ。

三鷹ー新宿ー五反田ー戸越。電車のなかでラインを入れておいた。了解、の返事はすぐにきた。筆者A氏文芸事務所の例会である。本日のメニューは、コメットさん第一回、あまりにも明け透けな大場久美子のアイドルぶりに驚いた。小山明子が美しすぎる。知った顔をいくつかみたが名前を思い出せない。1967年昭和真っ只中のドラマであった。これが67回も続くのだから豊饒なる昭和というほかない。

 本日のメインイベント、大菩薩峠、大映1960年の作品。机竜之介はもちろん市川雷蔵。眠狂四郎シリーズの全作品はこの前終わった。その続きであった。ところがこれはエンタメ路線ではなく、机竜之介もやたらと罪もない人を切り捨てる邪剣の使い手だった。そしてこの第一部の主役は中村玉緒なのである。あっと驚きだ。しかも最後は見せ場最大の一騎討ちになったところで次回に続く、なのだった。A氏はさらに若尾文子の卍もありました。これはレズものですか?というのである。原作谷崎潤一郎、監督増村保造、共演岸田今日子のエロス文芸ものである。まさに豊饒たる昭和、陽は赫奕として昇るのだ。

 さすがにこれを連続として見るのは勿体なさすぎる。次回、大菩薩峠の第2部を見るのか、卍をみるのか、これは我々はなかなか死ねないですね、とA氏は言った。それで五反田まで出て、安いカラオケをすることになった。この前戸越銀座の招き猫でアプリを入れてあるが、歌広場の方が安いというので18時までの1時間150円というふれ込みの店に行った。何を歌うか分からないので、さっきから頭の中で流れている、AKB48の会いたかった!を注文する。絵柄はもちろん前田敦子がセンター。なんだか海が背景に見える野原でみんなが踊っているやつだ。キーなど関係なく歌詞をがなる。大声を出せばいいのだ。女子高生がこっちに向かって集団で指差しツンツンツンと踊るところなんて懐かしすぎて泣きそうだ。こうなれば次はヘビーローテーション!当時このビデオは衝撃だった。蜷川実花のメジャーデビュー作だ。AKB48の絢爛豪華桃色御殿。センターはもちろん大島優子。可愛かったです。I love you I need you I want youと頭の中ガンガンながして、次はhard days night、早すぎて口が回らない、しかも英語だし。じゃこれならいけるかLet it be。と景気をつけてあとはだらだらと陽水とかユーミンとかいずれも昭和歌謡じゃい。私は持ち歌のおよげ!たいやきくん、A氏はイヨマンテの夜、と続き最後は時をかける少女、もちろん原田知世版。こうして昭和の夜は暮れていくのであった。

 帰宅7時過ぎ。今日はあれこれありすぎた。フロメシ轟沈で起きたのが夜中の3時丑三つ時。