重陽

夕日に向かって


今日の一句 重陽も言葉尻だけ今日の空 浮浪雀

 今日の三択。「獺祭」の意味は? 酒を飲む・資料を広げる・ぼけ 獺祭書屋主人とは正岡子規の称号。このけものへんの字はカワウソ。カワウソは取った魚を並べて確認する性癖があるという。今日の問題は裏の事情が大変多い。

 今日はsmart watch をつけるのを忘れて家を出た。出掛けに見たメールに気を取られていた。電車の乗るときにこの時計に入っているSUICAを使う。しかし別にカードのものを持っているので、なくても困らない。取りに帰るのが面倒なので、そのままバスに乗った。

 20年この駅を使ってこの職場に通っているが、初めてモスバーガーに入った。総入れ歯で大丈夫か試してみようと思った。モスのセットは900円。基本のバーガーとポテトとアイスコーヒーがM。Sサイズにしてくれと言ったら、セットメニューではなくなります、との返事だった。トマトのスライスが2枚はいっている。これが少し難所だった。この硬さだとテコの原理で総入れ歯の奥のほうが浮きそうになる。そこを舌で抑えてなんとか誤魔化せばいける。

20年前には500円を切っていたと思われる。

 今日は後期の講座関係の仕事が山盛りで、その他にあれこれ申請書処理があった。さらに思い違いで訂正処理までしたので、事務作業がてんこ盛りだった。帰りの時間まで業務で押していた。

 帰宅後、youtube。年金関係のインタビューを見る。私と同年代の老人が出てくる。自分もあんなものかと思うとひどくげんなりする。今日はバスで席を譲られた。相手は私より少し若い老婦人だった。断るのも悪いので、そのまま座ったが釈然としない。相手は席を譲っていい気持ちでいるんだろうか。私はたったまま乗っていこうと思っていたので、自分の意思を遮られて不機嫌である。それで相手が善行をしたと思っているんだと釈然としない。そう思っている自分が少し嫌になる。こういう自意識の発動が起こるので、席を譲られるのは得意じゃない。断っても人の善意を無にしたようになるので、これも釈然としない。つまり人と関係を持つのが嫌なのだ。ほうっておいてほしい。

 自分が座っている時は席は譲らない。立っていられないから座るので、そうでないときは空いた席があっても座らない。席をゆずる時の心理的なあれこれが面倒だからだ。席を譲ろうとして相手に断られると自分の意思を邪魔された感じがして面白くない。譲って相手が座った場合、自分が善行をしていい気になるのが面白くない。相手の疲れを利用して自分が心理的に優位になるのが卑劣に思えるからだ。だから席を譲る場合、どちらにしてもおもろくない事態が起こるので、席を譲る可能性を避けようとすれば、立ったままでいるか、一度座ったらすっと座っていなければならない。しかしあきらかに席を探している人がいると席を譲らないのは不人情の極みな気がして、心穏やかでない。だから最良の選択はたったままでいて、席を譲られないことだ。そういう葛藤状況が生じないのは、空いているときか大変混んでいるときだ。その両極端の状況が心安らかな車内状況である。

 通勤がつかれるのは単に肉体的な問題ではない。外見が若いときは席を譲られたことはないので、その点で若いときのほうが気が楽だった。